走るダンシャクのブログ

趣味でランニングを始めたオヤジが初めてのフルマラソンでサブ4を目指し達成した挑戦日記です。これまでは漫然と頑張ってトレーニングを行っていたのを、きちんと計画を立ててトレーニングをするようにしました。同じように初心者のランナーの方でフルマラソンでサブ4を目標としている人の参考になれば幸いです。

ForeAthlete 945 : ランニングコースが曲線の場合の測距精度

先日たまたま一緒に走ったランナーの方が、トラックだとGPSの測距が短く出るという話をしていて、私も経験的に短い距離の周回だと測定値が実距離より短いと感じていたのでそれを実際に検証してみたくなりました。

検証の方法

私の使用しているガーミン ForeAthlete 945にはGPS信号の取得タイミングを変更する機能があります。おそらく他のガーミンデバイスも同じでしょう。デフォルトではスマート記録と言って進行方向や速度の変化に応じてガーミンデバイスGPS信号を取得するタイミングをを自動的に決定しているとのことですが、これを毎秒記録に変更することにより、より正確に移動軌跡の取得が可能になります。曲線を描きながら走る場合だと、進行方向が変わったとデバイスが判断してGPS信号を取得するのにタイムラグがあるので、距離が実距離より短く測定されることがあるのではないかと思います。GPS信号による位置情報の取得は連続的に行われるわけではなく、間欠的に取得してその間を線で結ぶことにより軌跡を作っています。したがって、直線を走っている場合はかなり正確に測れますが、ランニングコースがカーブしていると軌跡が多角形になってしまい、本来の軌跡よりも若干測定距離は短くなってしまうのではと思うわけです。下の図はかなり誇張して描いてますが、このようなことが起きると想定されます。

f:id:running-danshaku:20201028002031p:plain

実際走ったあとにGarmin Connectで地図上の軌跡を確認すると軌跡はこのように細かい直線の連続で表示されているのがわかります。
そこでGPS取得タイミングを毎秒と高頻度にすることによって、その多角形の辺を短くできるので、より曲線に近い精度にできるのではというわけです。

f:id:running-danshaku:20201028002156p:plain

では、GPS取得タイミングを変更することによりどれくらい正確性が向上するのでしょうか。

測定結果

たまたま400メートルトラックを使った練習会に参加する機会があったのでその時に検証してみました。まず3000メートル走を毎秒記録モードで測定し次の3000メートルをスマート記録モードで測定、さらに最後2000メートルをもう一度毎秒記録モードで測定しました。

結果ですが、今回は有意な差を見ることはできず、どちらの記録方法でもほぼ実距離と同じで正確でした。以下が測定結果です。

1回目: 3km 毎秒記録 3.02km

2回目: 3km スマート記録 3.04km

3回目: 2km 毎秒記録 2.02km

毎秒記録の方が実距離に近い正確な値と言えなくも無いですが、その差は1%未満なのでこれをもっては判断できないですね。予想に反して僅かではありますがスマート記録の方が距離は多く出てますがこちらも差が僅かなので確定的なことは言えません。

思ったほど差が出なかった理由として考えられるのは、ガーミンデバイス内の計算アルゴリズムでスマート記録の場合は補正を行なっているのか、あるいは400メートルトラックの場合、カーブの半径が短いので、進行方向の変化をデバイスが検出するのに時間がかからない上、カーブの曲率が一定なのでもしかすると方向転換を予測するなど高度なこともしているかもしれません。

いずれにせよ400メートルトラックでは殆ど差は無いので電池のもちの良いスマート記録で十分ですね。

先日駒沢公園の周回約1.1キロのコースでは実距離より結構短く測定されたと感じたので、次回また駒沢公園に行った際に検証してみたいと思います。

余談

ちなみにマニュアルには絶対載っていないですし、ネットで検索してもおそらく出てこないForeAthlete 945 の操作上の特異点についてお話しておきます。きっとこれを知っていても使う方はほぼ皆無と思われますが、私は今回の比較測定を行うにあたって発見しました。

通常はGPS信号取得タイミングの設定を変更するのは何もしていないとき(つまり時計モードの時)に設定モードに入ってすると思います。その場合はガーミンのサポートセンターにも記載されている通り以下の手順で設定変更します。

  1. UPキーを長押ししてメインメニューを開きます
  2. 設定を選択します
  3. システムを選択します
  4. データ記録を選択します
  5. 毎秒 または スマート を選択します

これは何もしていないときに設定する場合です。では、RUNアクティビティ中に途中でGPS信号取得タイミングを変更することはできるのかということについて発見がありました。RUNアクティビティ中にといっても流石に走りながら変更などする必要はないですし、したくもないですが、1つのRUNアクティビティ中とはいえ、途中止まっているときに変更ができるのかということです。今回比較計測を行うに当たり、その日のトレーニングメニューとしては3000m x 2回 + 2000m x 1回というメニューだったのですが、それを1つのRUNアクティビティとして記録しつつも途中でGPS信号取得タイミングを変更できるのかを知りたくなりました。結論としてはできるのですが、やり方によってできる場合とできない場合があります。

変更できるやり方:

  1. RUN アクティビティ中に START/STOPボタンを押して、アクティビティを中断する(保存、再開などメニューが表示されますがそれは無視する)
  2. UPキーを長押ししてメインメニューを開く
  3. 設定を選択する
  4. システムを選択する
  5. データ記録を選択する
  6. 毎秒 または スマート を選択する
  7. BACKボタンを押す
  8. 保存、再開などのメニューに戻るので再開を選択する

変更できないやり方:

RUN アクティビティで自動ポーズを設定してあり、休止して自動的にポーズ状態になっているときはUP/MENUキーの長押しでメインメニューには入れますが、その後、設定→システムと選択しても、システムの設定メニューにはならず、起動しているRUNアクティビティの設定メニューに入ってしまいます。RUNアクティビティの設定メニューからはデータ記録の設定に移れないので自動ポーズ中はそのままではGPS信号取得タイミングの変更はできないです。自動ポーズ中であってもSTART/STOPボタンを押してアクティビティを中断すれば上記手順でシステムの設定に入ることができます。

 

いかがでしたか?あまりにもマニアックな操作なのでどう考えても使う人はいないですね(笑)