走るダンシャクのブログ

趣味でランニングを始めたオヤジが初めてのフルマラソンでサブ4を目指し達成した挑戦日記です。これまでは漫然と頑張ってトレーニングを行っていたのを、きちんと計画を立ててトレーニングをするようにしました。同じように初心者のランナーの方でフルマラソンでサブ4を目標としている人の参考になれば幸いです。

乳酸閾値測定ーフルマラソンでサブ4を達成するためのトレーニングで乳酸閾値はどれだけ改善したのか

乳酸性閾値測定の効用
ガーミンのForeAthlete 945には乳酸性閾値測定をする機能があります。初フルマラソンでサブ4を達成しようと目標を定めた後、インターネットや私がバイブルとして愛読しているジャック・ダニエルズ著「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」を通じていろいろとトレーニング方法を研究している中で、乳酸性閾値(以後乳酸閾値と呼びます)の把握が重要だということがわかりました。
乳酸閾値とは、筋肉が長時間働き続けることができる限界強度のことです。筋肉が働く際に利用する栄養源には二系統あり、一つは筋肉内と肝臓に蓄積されているグリコーゲン、そしてもう一つは脂肪です。グリコーゲンは短時間で筋肉の栄養を供給できるので強度の高い運動のときはグリコーゲン中心に消費されます。弱い運動強度で長時間運動すると脂肪を分解してエネルギーにする比率が高くなりますがある程度の強度を超えると脂肪の分解が追いつかずグリコーゲンの消費ペースが上がり血中乳酸濃度が上がるのです。この境界値が乳酸閾値です。乳酸閾値は適切なトレーニングにより向上させることができます。
「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」の中では、この乳酸閾値やそれ以外の様々なトレーニング強度を決定するための統一的指標としてVDOT(ブイドット)を使用することを提唱しています。VDOTとは、最大酸素摂取量の英語の簡略形です。
そのVDOTに合ったトレーニングの際に目指すべき色々なペースが決められています。トレーニングの目的によって走るペースは変えるべきで、自分のVDOTを把握してトレーニングのペースを決定するのが重要だということです。
VDOTはレースなどに参戦した実績があればそのレースタイムを元に推定することができます。「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」を読めば、レースタイムとVDOTの換算表が掲載されています。また、レースタイムを入力するとVDOTを計算してくれるスマホのアプリなどもありますのでそれを活用しても良いです。
なるべく最近のデータを使うほうが正確ということでしたが、私が乳酸閾値に注目し始めた当時自分が一番最後に参戦したのは2019年1月に多摩川土手で行われた小規模のハーフマラソンで 1:50:46 でした。そのタイムを元にすると、私のVDOTは換算表ではおよそ40となります。そしてそのVDOTで頑張れるフルマラソンのタイムは3:49:45とありますのでこの値を信じるのならサブ4も夢では無いとその時も思いました。
ところがさらに「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」を読み込み、あるいはインターネット上の記事を読んでいるとそう甘いものでも無いことがわかります。ひとそれぞれ、短距離型と長距離型の体力があって、異なる距離のタイムから求めたVDOTが必ずしも別の距離に当てはまらない可能性もあるということなのです。自分が短距離型なのか長距離型なのかは色々な距離のレースタイムを比較すると明らかになるとのことですが、私の場合直近1年ではハーフマラソン以外レースを走っていなかったので比較対象がなく、ハーフで求めたVDOTでトレーニング計画を建てることにしました。
その後、ガーミンのForeAthlete 945に搭載されている乳酸閾値測定機能を使って測定した乳酸閾値から「ダニエルズのランニング・フォーミュラ」に掲載されている表を使ってVDOTを逆引きするとやはり40となりました。
さらに2019年11月に出走した小江戸川越ハーフでは、最後脚が攣ったということはありましたが、タイムが1:48:15でしたので換算表によればVDOT 41となります。そしてVDOT 41の場合のフルマラソンタイムは3:45:09と換算表にはありますのでやはり目標をサブ4に定めることは無理なことではないと思いました。
実際小江戸川越ハーフから約3ヶ月間VDOT 41に適したトレーニング強度でトレーニングを消化して3月1日のフルマラソンで出たタイムは最後脚が攣ったとはいうものの3:44:06でした。脚が攣らなければ35キロまでの貯金から考えてもおそらく3:40台でゴールできたのではと思います。このことから、いかにこのVDOTを元にした推定レースタイムが正確で、トレーニング強度が適切なのかが良くわかります。
 
測定結果
前置きが長くなりましたが、昨年10月にガーミンのForeAthlete 945で測定した乳酸閾値と、半年のトレーニング後の測定値がどう変わったのかを測定してみました。
 
2019年10月26日計測
 乳酸閾値心拍数: 160 bpm
 乳酸閾値ペース: 5:06 min/km
2020年3月20日計測
 乳酸閾値心拍数: 163 bpm
 乳酸閾値ペース: 4:55 min/km
 
乳酸閾値心拍数が上がっているのはかなり意外でした。最大心拍数が変わらなければ乳酸閾値心拍も変わらないはずだと思うからです。最大心拍数は加齢により低下しますので上がることは無いと思っていたのですがトレーニングにより少しは上がるのかもしれません。
乳酸閾値ペースのほうは自分でトレーニングしている時の実感と一致しています。
今回測定した乳酸閾値ペースからVDOTを逆引きするとVDOT 42となりその場合のフルマラソン推定タイムは3:40:43となります。これまた脚が攣らなければ・・・という前置き付きですが実に今の私の実力に近い数字ではないかと思います。すごいですねこの一致は。
ガーミンのForeAthlete 945の走力測定機能の正確さとVDOT理論の正確さ、いずれも素晴らしいと思います。
 
でも半年頑張ってトレーニングしても私の実力レベルではVDOTは2くらいしか向上しないんですね。相当頑張ったつもりでしたが・・・汗
 
ちなみに先日の東京マラソン日本新記録を出した大迫傑選手の記録2:05:29 はVDOT 82、翌週の名古屋ウィメンズマラソンで女子単独マラソンでの日本新記録を出した一山麻緒選手の記録2:20:29 はVDOT 72ですので、私のVDOT 42とは30〜40の差が・・・。半年のトレーニングで2しか改善しないとするとこのまま順調に改善し続けたとしても追いつくには10年もかかりますね・・・そしてその頃は70歳近い・・・。やはりすごいですね、一流選手の体力は。
 
おまけ
昨日ジョギングで多摩川土手を20キロほど走りましたが、桜がほぼ満開でした。さすがに土日の不要不急の外出自粛要請のため敷物を敷いて花見をしている人はほとんど居ませんでしたし、散歩しながらの花見をしている人も含めて例年と比較して格段に少なかったです。
一方、長い休校で運動不足気味の子供たちに少しでも運動をさせようということでしょうが、小学生くらいの子供とその親でランニングしている親子はいつもより沢山走っていました。

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川崎側はハマダイコンがピークで高いところでは花が胸の高さくらいまであり、花の香りが清々しいです。写真では香りをお届けできないのが残念です。

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新型コロナウィルスも早く収束してほしいものですね。